特別シンポジウム
『心身医療を経営する』
~心身医療は本当に不採算なのか?十分な医療を提供するための「処方箋」を探る~

7月20日(日)14:00~16:00 事前登録・抽選制(別途参加費10,000円)
【オーガナイザー】東京科学大学歯科心身医学分野 豊福 明 先生
【企画趣旨】
「道徳なき経済は罪悪であり 経済なき道徳は寝言である」(二宮尊徳)
歯科心身医療は境界領域で、保険での診療報酬も十分には程遠く、これまで採算度外視で難治例の診療に当たってきた先達の足跡の上に成り立ったものである。ところが、昨今の医療情勢では国公立の病院ですら「赤字垂れ流し」は許されなくなっている。保険収入に頼った病院経営は限界に達し、もはや昭和・平成の先達のように「清貧」覚悟で、このような手間と時間を要する診療を維持することは極めて困難と言わざるを得ない。
良い治療をして、患者さんが喜び、それが収益性に繋がるという本来のあり方・環境をつくっていかないと歯科心身医療の未来はない。そのためには患者が真に求めるサービスが、きちんと経済循環性が担保された仕組みで世に送り出され、社会に新しい価値と雇用を創出する必要がある。
ところで医療の公共性から「お金を払えないなら診ない」という訳にはいかない。しかし、心身医療では命に別条がない患者さんの訴えにどこまで対応するか、どこまでで我慢してもらうかは切実な問題となる。保険上の制約を盾に「保険ではできない」というのも一つの線引きだが、実際の判断は各々の医師・歯科医師や医療機関に委ねられており、煩悶することもしばしばある。今後さらに貧しくなっていくだろう我が国の患者さんに、どのような「処方箋」を提供できるのか?学会としても、後進に素晴らしいこと、忘れてはいけない厳しいことを、少しずつ謙虚に伝えていく責務がある。
今回は医科の先生方のお知恵も拝借させていただき、「日本歯科心身医学会はこういう答えを出した」という地に足の着いた議論を期待したい。

【プログラム】
各演者10分の講演の後、フリーディスカッション40分、名刺交換会20分の予定
オープニングリマークス
東京科学大学歯科心身医学分野 豊福 明 先生
歯科から
ラクシア銀座歯科クリニック 吉川 達也 先生
心療内科から
安田クリニック 安田 弘之 先生
大船心療内科 井出 弘幸 先生
耳鼻咽喉科から
東海大学耳鼻咽喉科・頭頚部外科学 五島 史行 先生
整形外科から
テーラーメイドバックペインクリニック 松平 浩 先生

指定発言(予定)
松本歯科大学銀座8丁目クリニック院長、松本歯科大学特任教授 矢島 安朝 先生
東京歯科大学 名誉教授・特任教授 井上 孝 先生
春日井リハビリテーション病院 副院長 木村 勝智 先生